偶然の下風呂

星野勲写真集『あのころの道南・下北』の発刊を思い付くよりずっと前の

2017(平成29)年のこと。


なぜかこの年、夏から秋にかけて3回、下北半島に出かけました。


そのときに自分で撮った写真を見返していますと、

同書に掲載の、星野さんが昭和42年に撮影された写真と、

かぶるものが見つかりました。


まずは写真集の方をご覧ください。

撮影地は、風間浦村の下風呂温泉です。

次に、私の撮った写真です。


●1枚目はまるほん旅館

写真集右ページ上の写真をご覧ください。

右側バックに写っているのがまるほん旅館。

入口の丸い庇のイメージが、今もまったくそのままです。

●2枚目は、未成線の遺構

戦時中、下北半島では大畑と大間を結ぶ鉄道の建設が進められていて、

その途中に位置するのが下風呂温泉。

結局、物資不足等で完成の一歩手前で建設断念となりますが、

その線路跡の一部は、陸橋や観光施設として、使用されています。

写真で、下風呂温泉と書かれた歓迎看板の後ろに見えるのが

小さな陸橋として使用されている線路跡です。

星野さんの写真集左ページの左上の写真をご覧ください。

ご夫婦と思われる男女の後ろに見えるのが、同じく線路跡の小陸橋。

たぶん私の写真にある側から、歩いてこられ、

線路跡の小陸橋をくぐって出てこられたところだと思われます。

●3枚目は夫婦岩とその上に立つ恵比須神社

この周囲は「海峡いさりび公園」として整備されたため、

私の行ったときはすでに「公園内の一画」となっていましたが、

星野さんの写真は整備される前。

そのころ、ここは海の中でした。

写真集左ページ下の写真をご参照ください。

恵比寿神社由来の説明も併せてご覧ください

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